ラットによる実験で、糖尿病になると運動神経も損傷しバランス感覚等が低下するとの研究結果が発表されています。脳が筋肉や関節の状態を把握できず、腱反射が出なくなったり、バランス感覚を失って転んだりといった症状が出るという。
腱反射が出なくなるのは以前から分かっていますから、糖尿病の人が定期健診などをする際には必ず検査をしますが、転びやすくなるという事になると何かと問題ですね。
特に高齢者の方は、転んで脚などを骨折し、そのまま寝付いてしまうケースもありますのでね。糖尿病というのは本当にやっかいな病気ですねぇ。
【以下は毎日新聞より引用】
健康科学大(富士河口湖町)の村松憲講師(32)=神経生理学=らの研究グループが糖尿病で運動神経細胞が損傷することをラットで確認したとする論文を発表した。昨年12月に発行された神経科学専門誌ニューロサイエンス・レターズに掲載された。
村松講師によると、糖尿病による神経障害は、内臓機能などをつかさどる自律神経の障害による無痛性心筋梗塞(こうそく)や下痢・便秘、感覚神経の障害による手足の痛みやしびれなどが知られる。しかし筋肉を動かす運動神経は障害を受けにくいとされてきた。
村松講師らは10年から、人工的に糖尿病にしたラットを使って運動神経を研究。ふくらはぎの筋肉を動かす神経を蛍光色素で光らせ、観察した。
運動神経細胞には、筋肉を収縮させて力を出す大型のα(アルファ)神経細胞のほか、筋肉の状態を脳に伝える小型のγ(ガンマ)神経細胞がある。研究の結果、健常なラットと比べ、糖尿病ラットはγ神経細胞が小さくなり、数も減っていることを確認。同細胞が減っても筋力は低下しないが、脳が筋肉や関節の状態を把握できず、腱(けん)反射が出なくなったり、バランス感覚を失って転んだりといった症状が出るという。
村松講師は「糖尿の治療は主として自律、感覚神経を標的にしてきたが、見過ごされてきた運動神経の合併症への理解が深まった。運動療法や薬物療法をさらに検証したい」と話した。
2013年01月13日

医学的な研究結果は条件によって異なる結果が出る事が珍しくありません。例えば、ワインを飲むと心臓病になりにくいという「フレンチパラドックス」についても、実は効果は無いという研究結果もありますし、コーヒーを1日4杯以上飲むと長生きするという結果もあれば、逆に短命になるという結果もあります。
この記事はラットによる実験であり人間による臨床結果ではありませんから、そういう可能性もあるという程度の認識でよろしいのではないでしょうか。
私は医療従事者ではありませんので断定はできませんが、片足立ちが長く出来ない事はそんなに気にされる必要はないのではないだろうかという気がします。
糖尿病による神経障害が出ていらっしゃるとの事。神経障害では足に靴下を履いたみたいで感覚が乏しくなると言われています。
そういう事もあってバランスが取りにくいという事かもしれませんね。
それよりも大切なのは「フットケア」ではないでしょうか。
足の感覚が乏しいと足の怪我に気付きにくいし、熱いお風呂で足を火傷して気付かないうちに悪化するケースがありますから、毎日、足の裏や指などを目でチェックされる事をおすすめします。
糖尿病になると、いろいろと気になる事や不安があるとは思いますが、定期健診などを行われるとよろしいかと思います。
私は糖尿病以外にやや重い心臓病と緑内障で片目が見えませんが仕事をしながら普通に生活しています。心臓発作で救急車に乗った事も何度もありますしね。
身体の変調に気を掛ける事は大切ですが、気にし過ぎずに人生を楽しむ事も大切だと思います。
寒い日が続きますので風邪などひかれませんように!
先日に書いた記事「ヒートショックにご注意」はぜひ読んで欲しいです。