2013年03月10日

「インスリン抵抗性」って何?

この「糖尿病専門用語の意味」のカテゴリでは専門的で難しい説明を避けて簡単で分かりやすい説明を心掛けており、突っ込んだ説明は行っていません。糖尿病の専門用語はメカニズムまでの詳細を知る事よりも概略の意味が分かれば十分だと考えるからです。その前提で用語の説明を読んで戴ければ幸いです。

糖尿病に関する記述を呼んでいると比較的よく出てくる言葉に「インスリン抵抗性」というものがあります。インスリンの抵抗性? なんか小難しくて分かりにくいですよね。

インスリンというのは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。様々な要因でこのインスリンが正常に働かない、機能しない状態が続くと糖尿病になってしまいます。

インスリンが正常に機能しない状態には2つのパターンがあります。

@ インスリンの自己分泌量が少なくなっている。
A インスリンの自己分泌量は十分だがインスリンの効きが悪い。

A のインスリンの効きが悪くなっている状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。通常、インスリン抵抗性が高い、インスリン抵抗性が増大する等と表現されます。要するに何らかの原因で血糖値を下げるはずのインスリンの働きに抵抗する現象が起こっているという事です。

別の呼び方をすると、「インスリン感受性の低下」という事になります。インスリン抵抗性と同じ意味で、インスリンの感受性(働き・反応)が低下しているいう表現。記述する人によって「インスリン抵抗性の増加」とか「インスリン感受性の低下」という異なる表現をしますからそれに伴って「増加・高い」「低下・低い」という相反する言葉が使われるので余計に混乱を招いているように感じます。

2型糖尿病の大半は、@ のインスリン自己分泌量の不足よりも、A のインスリン抵抗性が原因になっているというのが通説です。もちろん、両方が絡み合っているケースも少なくないと思われますが、ウエイトという面でインスリン抵抗性が原因と思われるケースが多いという事です。

そしてインスリン抵抗性が高まる原因は遺伝的要素や、肥満・運動不足・過食などの環境的要素、また、加齢などによるものと考えられています。

インスリン抵抗性を解消する為には、まず肥満やメタボリックシンドロームを解消する事。その為にも運動は欠かせません。今まで何度も書いてきましたように筋肉を刺激してグルット4(ブドウ糖を筋肉に運ぶタンパク質)の量を増やしたり活動を高める事で大きな効果を発揮します。

2013年02月09日

SMBG(血糖自己測定)って何?

最近、糖尿病患者の人達の間でよく使われる言葉に「SMBG」があります。SMBG? それって何だ?と思われた方も多いかもしれません。株式投資をされる方ならSMBC(三井住友銀行)やMSCB(転換社債の1つ)を連想され、糖尿病と株式投資に何の関連があるのだ?と思われた方もいるかもしれません。

まっ、居ないか(笑
でも似てますよね。

このSMBGという言葉の意味は、「血糖自己測定」の事です。
血糖測定器を使って、自分の血糖値を自分で測るという事です。

日本人は何でも英語で表現するのが大好きですから、「血糖自己測定」という名前で表現する人は皆無で、ほとんどの人がSMBGという名前を使っています。Self(自分で) Monitoring (測る)of Blood Glucose (血糖)の頭文字を使った略語です。

自分の血糖値を自宅などで測るわけですから、当然、血糖値測定器が必要になります。最近の測定器は計測時間が非常に短くなっていますし必要な血液の量もごく僅かです。当サイトの右側の一番上に「血糖値測定器のカタログ」をご用意していますのでご覧戴ければ幸いです。

SMBGのメリットは?
・リアルタイムに、また、タイムリーに自分の血糖値の動きを把握できる。
・データを取る事で良好な血糖コントロールが可能になる。
・食事や運動、日常生活と血糖値変動のパターンが掴みやすくなる。
他にも様々なメリットがあります。

SMBGのデメリットは?
・血糖値という数字そのものが精神的ストレスになる。
・運用コストが高い。
・血液採取の為に指に針を刺すのが少し痛いかも。

「SMBGを行った方が良いのか?」それとも「そこまでやらなくても良いのか?」と問われれば、間違いなくやった方が良いとお答えします。糖尿病の人にとって自分の血糖値変化のパターンを掴む事は重要ですし、血糖値を把握しておく事は合併症の防止の上でも欠かせない事です。

血糖値は全く同じ条件で計測しても、季節や時間帯、体調の変化によって異なる数値が出る事があります。あまり神経質にならずに、コントロールする為に数字を把握するという感覚で臨む方が良いと思います。

血液の採取の際は指先から取っている人が多いと思います。二の腕は痛みが少ないという声もありますが、血糖値が割と大きく変動する場合は二の腕での測定は数値への反映が30〜40分遅れると言われていますので注意が必要です。

2013年01月14日

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)って何?

糖尿病の状態が良いのか悪いのかを知る指標の1つとして、血糖値というものがあります。「血糖値というものは何なのか?」については以前に書きました。サイト右側のカテゴリ内に「糖尿病専門用語の意味」というコーナーがありますので、そちらをご覧ください。

糖尿病の状態が良いのか悪いのかを把握する為の指標として、もう1つあります。

それがHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)です。

血糖値はその日の体調などによってバラつきが出る事があります。表現が適切かどうかは分かりませんが、ある意味において瞬間風速的なイレギュラーな要素もあるようです。

HbA1cは過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を表す指標ですから、一時的な特殊要因が反映されず、血糖値を短期的な指標とするならばHbA1cは長期的な平均値という面を色濃くした指標という事になります。特殊な変動要因が除外された(薄められた)数値という事になります。

至って簡単に言えば、ヘモグロビンにブドウ糖がどれぐらいの割合(%)でくっついているかという事で、単位はパーセントで表示されます。

では、そもそもHbA1cって何者なの?

そう思われる方が多いと思います。厳密に書くと頭が混乱してしまいますので、大雑把に説明したいと思います。

ヘモグロビンが含まれる赤血球は骨髄で作られ、血管内を約120日間かけて循環し寿命を終えます。この循環している際にブドウ糖と結合する現象が生じます。当初は不安定型HbA1cという状態のものが出来て一部のブドウ糖は途中でヘモグロビンから剥がれてしまう事があるのです。

やがて日数が経過すると別の化学反応が起こってヘモグロビンとブドウ糖の結合が安定してきます。この状態を安定型HbA1cと呼び、これがいわゆる通常言われているHbA1cという事になります。厳密に言えば安定型HbA1cが、糖尿病の状態の良し悪しを把握する指標として使われているHbA1cという事になります。

過去の平均値といっても1ヶ月前の血糖値の状態と2ヶ月前の状態が同じとは限りません。期間による反映の度合いは、HbA1cの値の約50%が過去1ヶ月の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの25%が過去3ヶ月で作られていると考えられています。

HbA1cの正常値は5.8%未満、老人保健法では5.6%未満とされています。

日本糖尿病学会では、2012年4月1日よりHbA1cの表記を日常の診療において国際標準値(NGSP値)に変更する事を決めました。これまで使用していた数値(JDS値)より自動的に約0.4%高くなりますが、現状は両方の数値を併記する形を取っているようです。

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