2009年03月20日

糖尿病入院日記 第6話

何故、私がこの女性に興味を持ったのか?

それは、私の向かい側の男性の年齢は50代半ばに見えるのですが、彼女はどう見ても30歳前後にしか見えず、その上、かなりの美人だったからです。

2人の様子を窺うと、どうも恋人同士としか取れないムードで、とても、献身的に尽くしていると印象を受けた。

その内、私は、うとうとして眠り込んでしまった。

ふと、目を覚ますと、ベッドの傍に看護婦さんが立っていて、どうも私を起こしていたらしい。彼女は小声で「血糖値を測りますね」と話しかけた。

しばらくして看護婦さんが戻って来て、「血糖値が全然下がりませんねぇ。主治医から、もう一度、インスリン注射を打つ様に指示を受けましたので注射しますね」

「はい」

それから、数時間して、また看護婦さんがやって来て血糖値の検査

今度は主治医も一緒にやって来た。

「ちょっとですね。血糖値が異様に高くて。本当は、あまり続けてインスリン注射をするのはよくないのですが、危険な状態なので、もう一度打ちますね」

「はい」

私の症状は、よほど悪いらしい。

時計を見ると、夜中の3時くらいだった。他の患者さんはぐっすりと眠っている様で、イビキをかいている人もいる。

医師の説明等を聞いて、私は段々不安になり、まだ生まれたばかりの娘の事や仕事の事を考えて中々眠りにつく事が出来なくなったが、いつしか眠りに就いていた。

それから何時間経過したかわからないが、回りの騒々しさに私は目を覚ました。

(ん?なんだ?)

誰かが大声を出して暴れていて、2人の看護婦さんが興奮気味に入り口の患者さんを押さえつけている。当然、他の患者さんも皆起きてその患者さんと看護婦さんの格闘を眺めている。

私の向かい側の人が「またかよ。勘弁してくれよな」とつぶやいて私のほうに視線を移した。

「ビックリしたでしょ?時々やるんだよね、彼は。迷惑もいいところだ。病院の方には、この部屋から追い出してくれと頼んでいるんだけどね」

私は事の次第が全くわからず、ただ、ボーっと看護婦さん達とその患者のやり取りを見ていたが、その患者の腕からは血が流れ、着物の胸の部分にも血が付いていた。

(なんなんだ これは?)

「もう やめなさい!」看護婦さんはいつの間にか3人に増えていたが、一番年配の看護婦さんが、こう一喝した。

この患者は点滴を自分で外して大声を出して暴れていたのです。


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糖尿病入院日記 第5話

一旦、自宅に戻ってバッグに着替えを詰め込み、読みかけの本や買ったばかりの本を10冊程度別のバッグに詰め込み、電車で今日診察に行った病院に戻り、早速、入院手続きをしました。

(このクソ忙しい時期になんて事だ。とにかく早く退院出来る様にしなければならない)

入院に関するガイダンスを受けながら、そういう事ばかり考えていたので、どういう説明を受けたのか、よく記憶していない。

手続きが済んで車椅子に乗ったまま病室に入ると、4人部屋だったけど運良く窓際のベッドに(ラッキ〜!)運ばれた。

車椅子に乗ってつれてこられた私に興味が湧いたのか、他の患者さんが一斉に私の方を見た。私は彼らの視線を浴びながら、一礼をして自分のベッドに向かい、看護婦さんから身体を支えられてベッドに腰を降ろした。

パジャマに着替え終えて、窓の外に目をやると、そこは街の中心部にある大きな公園だけど、夕暮れ時という事もあって、さすがに人は少なかった。歓楽街の近くでもあるので、夜になれば、この公園ではカップルの姿が目立つようになる所だけど、とても中途半端な時間なので人影はまばら。

夜の帳に包まれつつある外をぼんやりと眺めていると、看護婦さんがやって来て

「はい、それじゃ採血しますからね。ちょっとチクッとするけど我慢してくださいね」と言いながら採血を始めた。

私は、何故か注射には強くて、よほどヘタな看護師さん以外は痛いと感じた事はない。しかも、採血の時には、注射に流れ込む自分の血液をジッと見るので、看護師さんは、ちょっと気になるみたいで、注射されている私よりも緊張していたりする。

しばらくして、看護師さんが戻ってきて

「かなり血糖値が高いですねぇ。500以上ありますので、少しでも早く血糖値を下げる為にインスリンを打ちますね」

「はい お願いします」

他の患者さん達は、やはり、私の事が気になるみたいで、私をチラチラ見ながら聞き耳を立てている。

注射が済んで看護婦さんが部屋から出て行くと、私の正面のベッドの人がいきなり話し掛けてきた。

「糖尿ですか?」

「はい」(やっぱり看護婦さんとのやり取りを聞いていたんだ・・・)

「まだ若いのに大変だね。それに痩せてるのに何故?」

「そうですねぇ。私も驚きました。」

彼はまだ、会話を続けたそうだったが、彼に付き添っている若い女性が

「入院されたばかりの人に、そんなに話しかけちゃダメよ。ゆっくりさせてあげなくちゃ」「ごめんんさいね。気にしないでくださいね。」

正直、彼女の一言に救われた気がした。注射のせいなのか、血糖が高いせいなのかはわからないけど、とにかく身体がけだるくて眠い。

少しぼんやりしながらも、この女性に多少関心を持った私でした。
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